「寄付・募金をしてみよう」そう思い立ったとき、私は非常に戸惑ってしまいました。
- たくさんある寄付先からどこを選ぶべきか?
- 寄付先は信頼できるのか?
- 寄付先を選ぶ上で考慮すべきポイントは何なのか?
同じようにどこへ寄付するか迷っている方は多いと思いますので、改めて寄付先を選ぶポイントをまとめてみました。
おすすめの寄付先も紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
寄付先・募金先にはどのような団体があるのか?
信頼性・公共性による分類
世の中には非常に多くの団体があり、どこに寄付・募金するのか迷ってしまいます。
団体にも様々な種類があるのですが、ここでは税制上の寄附金控除ができるのかでふたつに分けてみます。
そもそも、寄付をした場合には寄付した金額に応じて所得控除を受けることができます。これを寄附金控除といい、寄付をすると支払うべき所得税の額が下がります。
なお、2011年6月の税制改正により、認定・特例認定NPO法人への寄付の場合には「所得税控除」のほか「税額控除」を選択することができるようになり、人により納税するべき金額に応じて有利な方を選べるようになりました。
どんな寄付先でも控除の対象になるわけではなく、特定の条件を満たす団体に限られます。
なぜどんな寄付先でも控除されないのかと言えば、その団体の信頼性や公共性を鑑みて、問題ないというある種の国のお墨付きがあるかという説明につきます。信頼できない団体への寄付で控除を認めてしまうと、脱税の懸念や最悪の場合にはマネーロンダリングに繋がりかねないということですね。
そのため、寄付する先を考える上で、まずは税制優遇のある団体の方がよいということになります。
- 特定NPO法人
- 特例認定NPO法人
- 公益財団法人
- 公益社団法人
- 独立行政法人
- 社会福祉法人
- 学校法人
- 更生保護法人
- NPO法人
- 一般財団法人
- 一般社団法人
- 宗教法人 など
寄附金控除の詳細については、国税庁のウェブサイトをご覧ください。
NPOとNGOは違うのか?
寄付について少し調べてみるとNGOを名乗る団体が目に入ってきます。これはNPOとは違うものなのでしょうか?
そもそも、NPOとは「Non-Profit Organization = 営利ではない組織」の略で、非営利組織とも呼びます。「利益を生む活動もするが営利を目的とはしていない」という団体ですね。
一方、NGOとは「Non-Governmental Organization = 政府ではない組織」の略で、非政府組織とも呼びます。NGOという単語は国際連合の会議にて「各国政府代表者」と「その他の参加団体」を区別したことに由来します。つまり、NGOとは国際的な社会課題に対して取り組む政府以外の団体ということですね。
日本では海外で活動する団体をNGOと呼ぶことが多いのですが、それはあまり正確ではありません。外務省によれば、NGOについて以下のように説明しています。
貧困,飢餓,環境など,世界的な問題に対して取り組む市民団体であれば,NGOと呼ぶことができます。法人組織として立ち上げるためには特定非営利活動法人(NPO法人)もしくは公益法人(一般社団・財団法人,公益社団・財団法人など)などの法人格を取得する必要があります(活動を始めただけでは任意団体となります)。
外務省ウェブサイトより
つまり、NGOとは市民団体として活動する法人格であり、NPOである場合もあれば公益法人などの場合もあるということですね。
そのような活動する人にとって、紛争地域やテロのリスクがある現地で活動するときには、「自分たちは非政府組織 = NGO」と名乗ることで中立な立場であることを主張し、安全度が上がるメリットがあります。(確実なものではないようですが)
寄付先として選ぶかという観点では、NGOを名乗っているかが決定的なポイントであるわけではなく、団体の活動内容に共感できるかで選べば問題ないと言えます。
寄付先の選び方
活動内容
団体の数がそれこそ星の数ほどあるように、その活動内容も非常に多岐に渡っています。
海外の紛争地域や難民キャンプでの活動、国内で交通事故により両親を失った子どもへの補助、文化的な活動を広げ芸術家を世に送り出すための支援など、本当に様々です。
自分の支援したい気持ちに合った、共感できる活動をしている団体を選ぶと良いでしょう。
寄付するもの
寄付というとどうしても金銭的なものを思い浮かべちですが、その他にも様々な寄付があります。
もっともメジャーなのが着なくなった「洋服」を寄付し、衣服の入手に困っている現地へ送り届けるというものです。
団体の活動次第ですが、他にも「メガネ」「ランドセル」「楽器」「生活用品」など様々なものがあります。
なお、洋服やメガネなどであれば販売店やメーカーが回収・寄付を行っている場合もあります。自分にあった方法で貢献することが重要ですね。
また、最近は売上のうち一定金額を寄付するという活動を行っている企業もあります。そのような企業の製品を購入することも、間接的に寄付の活動をしていることになりますね。
信頼性
寄付するのであればその団体の信頼性はやはり気になるところです。
先ほど紹介した寄附金控除の認められた団体の他にも、誰もが名前を知っているような団体は安心感があります。
その他の観点として、以下のような団体は活動や実績が信頼できると言えるでしょう。
- 3年以上にわたり運営や活動を確認できる
- 活動の規模が一定以上(目安は1,000万円以上)
- 個人寄付者が一定以上(目安は3,000円以上の寄付者が100人以上)
寄付しても問題ないであろうと考えられる寄付先(随時更新)
ここからは「まぁこの団体なら寄付しても良いかな」という、おすすめないしは寄付先として選択肢となる団体を紹介してみます。
なぜこのような遠回しな言い方をしているかと言えば、団体によってはやたら高い宣伝費をかけて広告を出していたり、役員が豪邸に住んでいて黒塗りの車を乗り回しているなど異常に高待遇だったり、粗を探せばキリがないからです。
公益財団法人 日本ユニセフ協会

寄付といえばまずは「ユニセフ」の名前を思い浮かべる方が多いと思います。ユニセフは190の国と地域で子どもたちの命と健やかな成長を支えるため、保健、栄養、水と衛生、教育、児童労働などからの子どもの保護、緊急支援・人道支援の分野で活動しています。
命を守る基礎的な支援を、遠隔の村や都市のスラムなど最も貧しく厳しい環境で生きる子どもたちへ優先的に届けています。また、子どもの人生を大きく変える安全な水の供給、貧困家庭のための生計向上支援といった、幅広い支援や活動が特徴です。


2020年の支出を見ると、広告費等として経常費用の17.2%にあたる約39億円が使われていることがわかります。また、事務運営費及び人件費として約5.2億円が使われており、組織図によれば職員数は63名であることから、単純に人数で割ると1人あたり約821万円。これらの費用について感じ方は人それぞれでしょう。
日本ユニセフ協会 公式サイトへ一般社団法人 ピースボート災害支援センター

ピースボート災害支援センターは、国内外の災害支援を中心に「人こそが人を支援できるということ」を掲げ、災害支援と防災・減災への活動を通して、災害に強い社会づくりを目指しています。
日常的に支援を受け付けているほか、自然災害が起こるたびに緊急支援募金を募っていますので、自分の気持ちに合わせて支援をすることができます。
2020年度の経常収支は経常収益174.7百万円のうち寄付金が29.9百万円を占めており、経常費用172.6百万円のうち給与手当が60百万円(他にも福利厚生など計上あり)、広告費こそ数万円程度ですが印刷製本・事務用品費が2百万円以上であるほか、人的な移動に伴う旅費交通費が6百万円以上計上されています。
ピースボート災害支援センター 公式サイトへ一般社団法人 関東交通犯罪遺族の会(あいの会)

あいの会は、交通犯罪での被害を1件でも減らし被害者や遺族が増えない社会をつくるために活動しており、交通犯罪で家族を奪われた遺族が集まって活動をしている団体です。
自動車や自転車は便利である一方、誰もが簡単に被害者にも加害者にもなりえますし、事故の犠牲者が絶えません。
活動は関東圏で行っており、主な活動は講演活動、月例会合の開催、行政などへの意見要請活動、被害者支援です。
CANPANの公開情報を見る限り、寄付金による収入は年間60万円〜100万円程度、支出は活動に伴う費用のようで、人件費の計上はありませんでした。
あいの会 公式サイトへ