専業トレーダーの1日
ここでは専業トレーダーの私が、1日の様子を紹介していこうと思います。
まず、生活の中心はなんといってもトレードの時間であり、これを中心に1日の生活を組み立ててると言っても過言ではありません。
私がトレードしているのは1日の中でもせいぜい数時間であり、いくつもの市場を跨いで見ることはあまり行いません。集中力が途切れてしまうので。
そもそも、世界の市場は概ね以下の3つの時間帯に分けることができます。(時間はいずれも冬時間です)
- 日本(日本時間の09:00 - 15:00頃):東京GMT+9
- 欧州(日本時間の17:00 - 01:30頃):ロンドンGMT+0
- 米国(日本時間の23:30 - 06:00頃):ニューヨークGMT-5
ここで紹介したものは証券取引所の開いている時間帯であり、あくまでも株式マーケットをベースにしたもの。為替の世界では前後1時間程度まで含めていることが一般的(らしい)です。
トレードを行うにあたり、基本的には、夜寝る前か朝起きてニュースを見てその日に入る市場を決めています。
決めると言っても大層なものではなく、その日の大きなニュース、直前の市場の動き、その他気になる材料をもとに判断しており、できるだけロングから入れそうなところで決めています。
あと、平日は個別株や為替で入っていますが、休日や祝日は暗号資産(仮想通貨)もかなり見ています。こちらはどの時間に動くというよりも常に大きく動いているようなイメージですので、チャートだけ画面に表示しておいて眺めておき、入れそうならいつでもエントリーするみたいなスタイルです。最近は仮想通貨も基本的に現物ロングオンリーで小さい値幅を狙うため、大きく下落したときにたまに買い増しする程度。
このように書くと「割と雰囲気すぎじゃないか?」「勝ってるのはまぐれでは?」と思われるかもしれません。
しかし、実際には研究や調査、情報収集にトレード以外の時間の多くを割いており、決して生半可なものではありません(と自分では思っています。)
1日の生活リズム
実際に朝から日本市場にエントリーした時の1日を紹介していきます。
07:30 起床
朝はだいたい毎日同じ時間に起きています。
前日夜に米国で取引し日付が変わるあたりで就寝しましたが、7時間は睡眠時間が確保できており、目覚めよく起きることができました。
起きたら5分程度ニュースに目を通してから熱めのシャワーを浴びてさらに目を覚まします。
朝食は食べる日もありますが、食べても軽く済ませる程度で、コーヒーを飲むのが日課。
前日夜〜当日朝までのマーケットの動きから東京は堅調と読み、ロングから入れそうなので今日は東京でトレードすることにします。
08:30 トレード開始
東京で入ると決めたので、8時半ごろからデスクに向かいます。すぐに気配値を見るのではなく、ニュースやPTSの様子を見ておきある程度銘柄を選定します。この日は寄り付き前後が勝負として、いくつかの銘柄をピックアップし注文を入れておきました。他に、少しの利幅で数日で売る前提で5銘柄計300万円程度の買い注文と、短期で持ち越ししていた銘柄が利食いラインに達したため一部だけ指値で売り注文を入れました。
株式は正直かなり高い水準にあると見込んでいるので、売買金額はかなり抑えめで、あまりポジションを持ち越さないようにしています。
株式以外では、先物や為替は既に上がってしまっており、高値で掴みたくなかったので入りません。
実際に9時になって株式市場が開くと、想定より安値で買い注文が通りました。
09:45 ポジション解消
寄り付き後に買った銘柄が、朝の価格変動の中でそれなりに価格が上がったので即利食いのため売却を実施しました。トレード数往復がうまく回り、1時間弱で10万円強の売却益が出ました。
ほぼ同じタイミングでホールドしていた銘柄の一部売却の売り注文も指さり、好調です。
この記事を書いたのは2021年3月頃ですが、この時期は日銀ETF購入の傾向が変わっていたこともあり、1日の終わりに市場がそれほど上がらない(動かない)という確信がありましたので、朝のみで取引を終えることにしました。
他には、数日から数週間の保有スパンで有望と思える銘柄が下がったところで買えるよう、低いところで指値注文を入れて午前は終了です。
11:30 昼食のために外出
この日はカフェでランチを取るために外へ出ました。近くの喫茶店まで運動がてら歩いて行きます。少しずつ暖かくなり陽の光を浴びて気分も爽快。
平日であればカフェもそれほど混んでいなく安心して食事できます。このような平日昼間の自由な過ごし方は、会社員にはない専業トレーダーの特権といったところでしょうか。
ランチ後は、コーヒーもしっかり頂き、散歩しながら帰宅します。
帰宅後は雑誌を読みながらゆったり休憩して過ごします。
13:00 情報収集
トレーダーたるものトレード以外の時間が実は最も重要です。日中の報道や、ニュース記事のチェックは欠かしません。
午後から国内株のマーケットが動き始めることはあまりないのですが、取引を入れなくてもチャートは見続けています。
大引け後もその日の日本の市場を振り返りニュースを探しながら、欧州・米国市場の展開を予想します。
19:00 夕食
私はあまり自炊しないので、買ってきたお弁当で夕食。あまり活動しないので主食は控えめ。お酒はそれほど飲みませんし、飲みながらトレードは絶対にしません。みなさんも飲みながら仕事はしないですよね?(クリエイティブ系のお仕事はもしかすると違うのかもしれませんが・・・)
24:00 就寝
取引しない日はいさぎよく早めに寝ます。専業トレーダーは自由業(?)とはいえ、健康や生活サイクルを自分で管理することが必要ですから、あまり不摂政な生活はしないように気をつけます。
株価指数先物や商品先物のポジションを持ってないときはぐっすり眠れている気がします。
1日中トレードを行った方が良いのか?

「トレーダーならば、予想が当たっている限りその日はできるだけトレードをたくさん行い、利益を積み上げるべきでは?」と質問されることがあります。
私自身、独立してトレーダーとして生計を立てていますから、利益をたくさん上げれればもっと余裕のある生活ができるかもしれません。
しかし、その日の利益をどんどん上げていこうというスタンスは少なくても私の肌には馴染みません。
その日の利益をもっとあげようという姿勢は私から言えばセルフコントロールを欠いている状態であり、不測な事態が発生した場合に冷静さを失い無理なトレードを行ってしまいがちです。いわゆる「ポジポジ病」についてもこれと同じで、自分のメンタルコントロールがうまくいっておらず、リスク管理が適切に行えない状態に陥っていると考えています。
そのような状態よりは、その日のマーケットから目標とする収益を上げるようなトレードに撤し、概ね達成できれば1日は終了とする方が長期的には遥かに健全です。
もちろんトレードのスタイルは人それぞれですから、1日のいい状態は徹底的にトレードしていくことが自分に合っているのであれば、その方法でも良いと思います。「チャンスをみすみす見逃すことはないだろう」というのもひとつの考え方ですから。
まとめ
この記事では専業トレーダーの私が実際に取引を行っている日の1日の様子を紹介しました。
ここで紹介したのはあくまでも1例ですが、他の市場に入る時も生活リズムや実際にトレーディングを行っている時間はほぼ変わりません。
これから専業トレーダーを目指す方の参考になりますと幸いです。