[米国株投資]テスラ(Tesla)徹底解剖!ビジネスモデル・財務状況・将来性は?[イーロン・マスク]

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電気自動車(EV)大手企業のテスラはアメリカの大企業GAFAMと並ぶまでの成長を見せ注目されています。

共同創設者およびCEOを務めるイーロン・マスク氏の破天荒な言動にも注目が集まっており、その存在感は自動車業界にとどまらず暗号資産(仮想通貨)の世界にも多大な影響があります。

近年は自動運転だけでなく、AI(人工知能)分野への取り組みも目立ちます。

この記事では、テスラの特徴と成長の可能性を見ていきます。

テスラ(Tesla)の概要

  1. 社名:Tesla, Inc.
  2. 上場:NASDAQ(Ticker: TSLA)
  3. 本社:アメリカ カリフォルニア州パロアルト
  4. 設立:2003年7月1日
  5. セクター:一般消費財
  6. 産業:自動車

2003年7月、「テスラモーターズ」として設立された社名は、発明家であり電気技師であったニコラ・テスラに敬意を表してつけられたものです。2008年よりCEOを務めるイーロン・マスク氏は創業期に資金の大半を提供した人物としてテスラ社の中核を成す人物です。

テスラは、CEOであるマスク氏の発言や行為、内部告発者への報復疑惑、労働者の権利侵害疑惑、製品の未解決で危険な技術的問題疑惑などに起因する数多くの訴訟や論争の対象となっており、良くも悪くも話題に事欠かない企業と言えます。

ビジネスモデル

イーロンマスク

マスク氏によれば、テスラの目的は「電気自動車や太陽光発電によって得られる持続可能な輸送とエネルギーへの移行を促進する」ことにあります。

テスラは、2009年に最初の自動車モデルである「ロードスター」の生産を開始しており、2012年に「Model S」セダン、2015年に「Model X」SUV、2017年に量産型の「Model 3」セダン、2020年に「Model Y」クロスオーバーを発表しました。

中でも「Model 3」は2020年12月までに80万台以上が納入されており、世界で最も売れているプラグイン電気自動車です。2020年にはテスラの世界車両販売台数は前年比35.8%増で、50万台にあと少しと迫る499,550台でした。また、2020年には電気自動車の生産台数が100万台を突破しています。

テスラは電池式エネルギー貯蔵システムの世界最大級のサプライヤーでもあり、2020年には3GWhの電池式貯蔵システムを供給しています。また、子会社のソーラーシティを通じて米国で太陽光発電システムを開発し、その主要な設置者となっています。

つまり、テスラ社の提供する製品とは、電気自動車、家庭用からグリッドスケールにもおよぶバッテリー電動輸送機器、ソーラーパネル、ソーラールーフタイル、およびその他の関連製品・サービスとなります。

イーロン・マスクと仮想通貨

テスラを語る上で外せないのが、イーロン・マスク氏です。彼は仮想通貨好きと知られており、中でもドージコインに並々ならぬ思い入れがあるようです。

マスク氏は2021年3月ごろ、たったひとつのツイートでビットコインの価格を史上最高値へ押し上げました。テスラにてビットコインによる支払いを受け入れると表明しています。

この前後にはドージコインについてもツイートしており、ミームコインであるはずのドージコイン(Doge)が爆騰しました。

2021年5月にはビットコインの環境への影響に関する懸念をツイートしたのち、ビットコインは大暴落を始めました。ビットコインだけでなくすべての仮想通貨で地獄が始まったのです。

これがマスク氏のツイートを見逃してはならないという理由です。テスラの事業に関するツイートだけでなく、仮想通貨に関する発言までマーケットに大きな影響を与えてしまう、まさに「マスク砲」と言えます。

財務状況

今では時価総額が1兆ドルにも達したテスラですが、それまでの過程は決して平坦ではなく、困難の連続でした。

中でも2007年には制御しきれなかった資金の回転率を下げるため、テスラモーターズは当時の従業員のうち約10%を減らさざるを得ない窮地に陥りました。

2010年になり、テスラ社は日本のトヨタ自動車と提携しEV開発を共同で行う業務提携契約を発表しましたが、残念ながら協業は進展せず、2016年末までにトヨタは保有していたテスラの株式をすべて売却しています。

その後は新モデルの開発とともに人気が飛躍的に上昇し、2020年に入ってからは年初から9月1日までの間に株価が約500%上昇し、今に至ります。

決算を見てみると、2020年末には売上高315億3600万ドル、営業利益19億9400万ドル、純利益7億2100万ドル、純資産521億4800万ドルと、一流企業の決算書です。2020年末の株価は705.67ドルで発行済株式数は9億6000万株でしたから、EPSは0.74、PERはおよそ954です。PERだけ見れば超割高です。

財務面から見るテスラの特徴は、設備投資や研究に多くの費用を割いている点です。設備投資費は2020年3Q以降四半期ごとに10億ドル以上を計上し、2021年3Qには18億ドル以上にも上ります。研究費も四半期ごとに5~6億ドルほど計上しており、新たな車種の開発・既存の車種の改良へ取り組んでいるのが垣間見えます。

株価の推移

ここでは実際にテスラの株価を見てみましょう。

テスラ社の株価を見る上で、マスク氏の発言は注視し続ける必要があります。というのも、米国のバイデン政権や与党民主党は、富裕層への課税強化を進めようとしており、その一環として、富裕層に対し売却前の株の含み益に関しても課税する案が出ています。この動きを受けマスク氏はこともあろうかTwitterで自身が保有するテスラ株の10%の売却を提案し、フォロワーに賛否の投票を呼びかけを行うという驚きの行動をとりました。

その結果、賛成多数となったのです。

自社株売却についての投票呼びかけにより、マーケットは大きく反応しました。11月4日に過去最高値(終値1229.91ドル)をつけたテスラ社の株価は投票を呼びかけた翌営業日から急落し、2021年11月5日(1222.09ドル)から11月9日(1023.5ドル)にかけてたった2日間で16.3%下落したのです。

マスク氏は投票の結果に従い、2021年12月には保有するテスラ株(発行済株式総数の約17%を保有)のうち10%に該当する約200億ドル(約2.2兆円)分の売却を発表しました。

将来性

テスラの将来性を占う重要な要素が2つあります。その2つとは、「極端に高いPER」と「ビジネスの先行き」です。

というのも、先ほど出てきたようにテスラのPERは2020年末で900を超えています。2021年は株価調整により一時600程度まで下がりましたが、それでも通常の株価理論で言えばこの高すぎるバリュエーションを説明できず、ウォール街ですらテスラ株が買いなのか売りなのか見方が二極化する始末。

高すぎるという根拠としては、競争上の脅威増大や中国での販売鈍化の兆しを受けて、テスラの急成長予想が市場で疑問視されているということに由来しています。2021年上半期には他の自動車銘柄が上昇したにもかかわらず、テスラ株が約4%下落したことから、陰りが見えてきたとする見方です。

一方でまだまだ買いとする根拠としては、現在の株価評価はテスラが米乗用車販売最大手になることを前提にしており、その期待を疑う要素は見当たらないとするものです。

テスラへ投資するには?

テスラに投資するのであればいくつかの方法が考えられます。ひとつはテスラへ多く投資するようなファンドへ投資すること、もうひとつは個別株としてテスラへ投資することです。

もし個別企業の現物株式を購入するのであれば、証券会社で口座が必要となります。最近では多くの証券会社が海外株式や海外ETFを取り扱うようになってきており、手数料で優劣がかなりはっきりするようになってきました。手数料を比較して実際にどの証券会社を使うか検討してみるとよいでしょう。

[まとめ]米国株・米国ETFを買うならどの証券会社が一番お得なのか?
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まとめ

ここではテスラの企業としての特徴や将来性について紹介してみました。今では私たちの生活に欠かせないものになった企業であり、今後もその成長性が見込まれます。

皆さまには世界を代表する米国企業について理解していただき、投資に生かすことで少しでも豊かな生活を送ることのお役に立てればと願っております。