[外国株式]サクソバンク証券を使ってみた!メリット・デメリットは?[CFD・FX]

マネー論

サクソバンク証券という証券会社をご存知の方は、なかなか資産運用に通じている方だと思います。

老後の資産確保のために資産運用を検討している人も多いなか、資産運用するためには証券会社で口座を開設する必要があります。

多くの会社の中からどの証券会社を選ぶのかというのは非常に難しい問題なのですが、今回はサクソバンク証券を実際に使ったメリット・デメリットを見ていきましょう。

ということで、この記事では専業トレーダーがサクソバンク証券について語ってみます。

サクソバンク証券とは?

まずはサクソバンク証券という会社の概要から見てみましょう。

  1. 商号:サクソバンク証券株式会社(英語表記:Saxo Bank Securities Ltd.)
  2. 本社:〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-2-8 虎ノ門琴平タワー22F
  3. 設立:2006(平成18)年4月
  4. 資本金:4億9千万円
  5. 主要取引銀行:三井住友銀行
  6. 株主:Saxo Bank A/S(デンマーク)100%

サクソバンク証券は、デンマークのコペンハーゲンに本拠地を構え30年以上の歴史(設立は1992年)を持つ金融サービスプロバイダー「Saxo Bank」の日本拠点です。もともとは現地で1992年に外為ブローカーを業としていましたが、2001年に銀行業務の免許を得た際に現在の社名に変更されました。2006年の設立時は三井物産の直系孫会社でしたが、合併・買収等を経て、欧州銀行系オンライン証券会社として日本では2008年からサービスを提供しています。

会社の概要でかなり気になる点は、会社にとって元手である資本金が4.9億円であり、金額が比較的小さいという点です。証券会社では主要大手やネット証券をはじめ、資本金が数十億〜千億円規模が通常です。この理由のひとつは業界での「自己資本規制比率」に関する規制であり、これは証券会社のバランスシート上の健全性を示すものであるがために、ある比率を下回ると金融商品取引法等に基づき金融庁への届出等の対応が必要となり、最悪事業を停止することになります。サクソバンク証券の開示情報によれば、ここ1年程度は自己資本規制比率はおおむね500%以上をキープしており、安全圏の比率(140%)からかなりマージンがあることがわかります。また、店頭FXのポジションについても、親会社であるSaxo Bankをカバー先とし未カバー率0%であることから、適切にリスク管理がなされていると言えるでしょう。

他には、顧客からの預かり資金を日証金信託銀行の専用信託口座で分別管理しており「信託保全」が行われている点、金融商品取引業者として関東財務局に登録されており「金融庁より認可」を受けているなど、日本のルールに従いサービスを提供している点は非常に重要です。海外業者では顧客保護の基準が異なるなどの理由から、トラブル時に顧客不利な裁定となることもしばしば見受けられるためです。

こういった会社の概要を軽視する方もいますが、平成不況で当時破綻した準大手の「三洋証券」や四大証券の一角だった「山一證券」などの例を考えれば、利用を検討するにあたり会社の状況を把握することはとても重要です。

ここからは実際のサービス内容を見てみます。

サクソバンク証券の提供しているサービスは?

サクソバンク証券といえば、FX取引と外国株式が有名です。

FX取引をしていると、比較サイトなどでランキング上位にあるため、名前を見かけたことはあるという方も多いかもしれません。サクソバンク証券のFXサービスは取引ペア数が150種類以上と国内他社を圧倒しているというメリットがあります。

メジャー通貨・マイナー通貨を揃えていることはもちろん、エキゾチックと呼ばれる他社ではほとんど見られない通貨や、円貨を介さない外貨-外貨のペアも豊富であり、通貨ペア数は国内最多です。

また、外国株式に関して言えば取り扱っている銘柄数は12,000を超えておりこちらも業界最高水準です。例えば米国株だけでみても、一般的な国内証券会社であれば大手オンライン証券でも多くて3,000〜4,000銘柄程度である一方、サクソバンク証券は5,000銘柄を超えています。これに加え、欧州株式やアジア市場の株式、ETF/ETNの各種銘柄を揃えています。

外国株式の銘柄数だけでなく、取引手数料も0.2%(税込)と低い点にも注目です。大手ネット証券では米国株式では0.495%(税込)が相場ですから、外国株式への投資を考えているならぜひサクソバンク証券の利用を検討してみるとよいでしょう。

他に取り扱っている取引としては、株式・株価指数先物・商品先物および各種オプション・外国為替証拠金取引と一通り揃っています。ただ、国内株式現物については他の証券会社の方がサービス面で魅力があり、国内株式だけであればあえてサクソバンク証券を選ぶことはないと言えます。

使いやすさはどうなのか?

サクソバンク証券

FX

FXのサービスについては先ほど紹介したように、他の国内業者が追随することを許さない、通貨ペア数が強みです。

その他にも国内で唯一早朝から注文を受け付けており、オーストラリア夏時間では月曜午前3時から、標準時間では月曜午前4時から注文が可能で、海外で重要なイベントが起こった際にもいち早く対応できるメリットは魅力的です。

また「MT4」にも対応しており、高度な取引が可能となっています。当然、MT4を通じた自動売買にも対応しているため、任意のEA(自動売買プログラム)を用いることで、より自由度の高い自動売買が可能になっている点も見逃せません。

約定力・取引ツールについても利用者からの評価が高い一方で、国内他社と比較するとスプレッドはやや大きくスワップポイントも高い方ではありません。

外国株式

外国株式のサービスについては先ほど紹介したように、他の国内業者が追随することを許さない、豊富な銘柄数・低い手数料が強みです。

逆に他の業者(例えばSBI証券など)と比べたデメリットは積立投資目的で投資されることの多いVTなどの海外ETF銘柄でも、外国株式銘柄と同様に取引手数料がかかるという点です。どういうことかと言うと、SBI証券などでは、ごく一部のインデックス連動ETFについて購入時手数料を無料としているため、その点で若干コストが変わってきます。とはいえSBI証券などでも売却時には取引手数料がかかるため、購入・売却での往復トータルでの手数料率で考えるとサクソバンク証券に優位性があります

また、アクティブに投資を行う投資家にとって、指数に連動する海外ETFよりはAmazon・Appleといった特定の海外企業へ集中投資するため、海外株式への投資という点でサクソバンク証券の評価が変わることはないと言えます。

まとめ

この記事ではサクソバンク証券について少しだけ語ってみました。

投資初心者の方にとって、サクソバンク証券はもしかすると使いこなすことが難しい証券会社なのかもしれません。しかしトレーディングで自分の未来を切り拓きたいという方で外国株式取引を行うのであれば、非常に有力な選択肢であることは間違いありません。口座の開設や維持は無料ですから、もし気になるのであれば、まずは口座開設してみてはいかがでしょうか?