「海外のFX業者ってどうなんですか?」
たしかに、海外のFX業者は国内のFX会社と比べ取引できる通貨の種類が多く、高いレバレッジで取引できる、ボーナスが充実しているなどメリットが大きいように見えます。
しかし、海外FX業者の利用はリスクが高くおすすめできません。
この記事では、海外FX業者の特徴やメリット・デメリット、そして海外FX業者をおすすめできない理由を紹介します。
海外と日本のFXサービスの違い
海外FXは取扱通貨が多い
国内のFXサービスと比べると、海外のFXサービスは取り扱っている通貨の種類はとても多いです。
国内のFX会社では通常多くても30通貨ペア程度であり、メジャー通貨に加えて一部のマイナー通貨が取引できる程度です。一方、海外FXではマイナー通貨に加えてエキゾチックと呼ばれる通貨についても取引できることがほとんどで、通貨ペア数では50種類を超えるのはざらです。
しかも、大きなイベントの発生などで取引したい通貨が見つかっても、国内の取引所では取り扱っていない事がよくあります。海外FXを利用していない場合は残念ながら購入する事ができません。
レバレッジ倍率が高い
国内のFX会社と比べると、海外のFX業者はレバレッジ取引の上限が高い特徴があります。
2011年の金融商品取引法の改正により、国内のFX会社ではレバレッジ倍率が最大25倍までの取引しかできません。
一方、海外のFX業者では、レバレッジ倍率が25倍前後で行うことは普通で、100倍を超える倍率で取引できるサービスも存在します。
日本語に対応していない
海外のFX業者の殆どは日本語に対応していません。日本語で表示されているサイトもあるのですが、表記が不自然だったり英語で明記されている内容が日本語で正確に表現できていないなど、日本人が利用するには不利となることも。
英語のまま利用するか、または翻訳機能などを駆使して英語を日本語に翻訳して利用する事になりますが、英語に対して拒否反応のある方が利用するのは難しいかもしれません。
日本の法律に準じていない
日本の法律に準じていないため、国内のFX会社と異なり、海外FXでは口座を開設する時に「本人確認」の手続きは不要です。
また、海外のFX業者では、信託保全や顧客資産の分別管理といった利用者保護の仕組みが義務化されておらず、業者の破綻により利用者が不利益を被る可能性が高いです。業者破綻時の不利益は日本のFX会社ではまず起こらないでしょう。
海外FXをおすすめしない理由
セキュリティ上の問題
金融サービスに関するニュースで「ハッキング」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。
世界中の様々なサービスでハッキングの被害が起きていますが、ハッキングに対するセキュリティ対策や補償制度などはサービスにより異なります。
海外FXでは顧客資産の管理についてもサービスによりまちまちで、ハッキングにより流出してしまうこともありえます。
仮に海外FXを利用していてハッキング被害を被ったとしても、日本の法律は適用されません。金融庁の手が届かない範囲にあるため対応できず、被害額が返金される可能性はほとんどないでしょう。
スプレッドが広い
日本のFX会社で取引したことがある方なら一目でおかしいと感じるのですが、海外FXは明らかにスプレッドが広いです。
海外FX会社では業者側の取り分をスプレッドから得ています。そのため広いスプレッドは業者の取り分となっているのですが、利益をあげるにはかなり不利な条件で取引せざるを得ません。
この理由として、ひとつには海外FXではゼロカットルールというロスカットにより生じた損害を業者が負担するという仕組みになっていることがあげられます。考えてみれば、このようにロスカットが生じるのは一部の無謀な取引をしている参加者であり、その業者側の負担を健全な取引をしている参加者が負担するという、かなり不公平な構図になっていることは明らかです。
出金トラブルが多い
海外FXにつきものなのが出金トラブルです。
海外FXでは一般的にスプレッドが広く利益をとりにくいのですが、万が一大きな利益がとれたとしても、出金できるかは別問題です。
出金条件は海外FX業者により様々です。出金方法として出金先となる金融機関に指定がある、証拠金維持率を高くしておかなければならない、過去の入出金によっては再度入金してからでないと出金できないなど、例を挙げればきりがありません。
こういった面倒なトラブルも金融庁は対応してくれませんから、自分で解決しなければなりません。
本人確認が義務でない
海外FX業者では本人確認(通称KYC)が義務化されていません。
海外FX業者が日本のユーザーに対してサービスを提供しているにも関わらず、日本で金融商品取引業の登録をしていない海外FX業者に対して、金融庁が警告を発しています。
本人確認が義務化されている理由のひとつにはマネーロンダリング防止というものがあります。反社会的な組織による資金洗浄を防止するという重要な目的があるのです。
日本の法律で海外FX業者は問題ないのか?
無許可で日本人に対してFXサービスを提供している業者に対して、これまで数回に渡り警告がなされています。その詳細は金融庁の「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」に記載されています。
それでは、日本人が海外FX業者を使うことは違法なのでしょうか?
現時点で、日本人が海外FX業者を利用することは、違法ではありません。しかし、金融庁の認可を受けていない取引所でトラブルに遭遇してしまった時の対応は「自己責任」となります。
海外FX業者は、世界中のユーザーに対してサービスを提供しており、ユーザーの対象を日本人に限定している訳では無いため、「日本人ユーザーがいても問題はない」という認識になっています。
より深刻なのはマネーロンダリング問題です。海外FX業者は本人確認(KYC)が義務化されていないため、反社会的な組織が利用している可能性も否定できません。そんなことを知らずに海外FX業者を利用していると、ある日突然マネーロンダリング関与への疑いがかけられ、あなたの家に警察が訪れてもおかしくはないのです。
すなわち、海外FX業者が制限されることはないので、自分から利用を控えることが重要です。
主要な海外FX業者
XM
XMはもっとも有名な海外FXサービスのひとつです。2009年に設立された業者であり、レバレッジが最大888倍までとれるということで利用されています。
デモ口座はトレードの練習に便利である一方、インフルエンサーがデモ口座の架空のトレードで動画配信しているなど、あまり良いイメージはないですね。海外業者のためスプレッドは当然広いです。
AXIORY
AXIORYは現在シェアを急拡大している海外FXサービスのひとつです。2007年に設立された業者であり、出金トラブルがないことが売りにしています。最大レバレッジは400倍。
日本語のサービスが提供されていますが、海外FXによくあるキャンペーンやボーナスが基本的に存在しないため、純粋にサービスの安定で選ばれているようです。
GEMFOREX
GEMFOREXは日本人が海外で設立した海外FX業者です。2016年6月に設立された業者であり、最大レバレッジが1,000倍は驚異的です。
過度なスキャルピングが禁止されているだけでなく公式サイト・サポートの信頼性が低いことで、トラブルが頻出しており、海外FX業者として典型的な問題のある業者のひとつです。
iForex
iForexは1996年に設立された老舗の海外FX業者です。
最大レバレッジは400倍と、ここまで紹介してきた業者と比べれば低い方と感じるかもしれませんが、これは国内の最大レバレッジと比べれば異常に高い水準です。スプレッドは変動制で広めですが、取引手数料が無料なのでトータルコストが低いとは言われています。
日本語サポートは充実していますが、普通のトレードがこの業者で禁止されているスキャルピングに該当するとして利益を没収されるなど、出金トラブルが発生しています。
FXの取引をするには?
FXの取引を行うためには、FX会社の口座を開設する必要があります。
これまで紹介してきたように、もしFXの取引を考えているのであれば、国内で認可されているFX会社を利用するようにしましょう。まだFX口座を持っていないという方は、まずはキャッシュバックでお得なDMM FXで口座開設を行いましょう。
FXの他にも国内で認可を受けているおすすめの業者がありますので、こちらもチェックしてみてください。

まとめ
この記事では海外FX業者のリスクや危険性を紹介しました。
みなさんの知らないところでも為替相場は日々動いており、大きな利益を上げているトレーダーは数多く存在しています。みなさんにはFX取引について正しくご理解いただき、少しでも資産形成のお役に立てれば幸いです。