FXの自動売買というと、まずは「トラリピ」が候補にあがります。
しかし「ナンピンの繰り返し手法はFXで勝てない」「トレンドが出ると損が出る」などネガティブな評判もあります。
この記事では、そんな疑問に答えながらおすすめの手法を紹介します。
トラリピとは?
トラリピとは、マネースクエア社が提供するリピート系の自動売買サービスです。
ある通貨ペアに対して決まったところに指値注文を置いておき、エントリーしたら決済注文も自動で入れることができます。決済したらまた同じ価格帯で新規の指値注文を入れることができます。システムトレードをご存知の方にはトラップトレードを行えるサービスと言えばわかるでしょう。
FXのトラップトレードで筆者がおすすめしているサービスは「トラリピ」なので、ここからはトラリピといえばトラップトレードのことを意味していると思ってください。
こちらの記事でもトラリピのサービスについて紹介しています。

トラリピに関する誤解
誤解①:トレンドが出ると大きな損が出る
トラリピについてよく言われるのはトレンドが出ると大きな損が出るという点です。
これを言う方は大きな誤解をしていると思いますが、初心者が大きなトレンドの出やすい通貨ペアでトラリピ運用を検討すること自体、大きな間違いです。
逆に言えば、中長期的に一定のレンジ内に収まるようなトレンドが発生しにくい通貨ペアをそもそも選ぶべきです。
例えばドル円はトラリピに全く向いていない通貨ペアです。一時期、たしかに数ヶ月で1ドル数十銭しか動かないような期間はありました。しかし、数年のスパンで見ればドル円は(ファンダメンタルズ的な事情はあるにしても)大きなトレンドが出て動くことは明らかです。こんな通貨ペアで長期のトラリピ運用を行うなんて正気の沙汰ではありません。
おすすめの運用方法については記事の最後で紹介しますね。
誤解②:ナンピンストラテジーでは勝てない
ポジションに対してアゲインストにマーケットが動いたときにポジションを積み増しを行うことを、俗にナンピンと言います。
トラリピでは必然的にナンピンをしていくことになり、この点に対して否定的な意見を持つ方もいます。
たしかに、大きなトレンドの中で逆張りのナンピンを行うことは、大きな負けにつながります。
しかし、大きな方向感があっているならば、ナンピンは決して悪いわけではありません。むしろ、多少の評価損に耐えられないリスク管理の仕方に問題があるのです。
トラリピ運用を行う上では、中長期的にレンジの中に収まる傾向のある通貨ペアのみを選び、いっときレンジを外れても強制ロスカットとならない無理のないレバレッジ管理を行うことで解決する問題です。
為替はマーケットが開いていれば常にレートが変動していますが、そのレート自体はあるレンジに収まっているならば、レート変動はむしろ収益のチャンスとなります。(これがトラリピ運用による収益獲得の考え方ですね)
あるレンジに収まるという仮説のもと、ナンピンを行うこと自体は積極的に収益を狙うことにつながります。
おすすめの通貨ペア

AUD/NZD(豪ドル/NZドル)
中長期でレンジ相場を形成する通貨ペアとしてもっとも有名なものが。それがAUD/NZD(豪ドル/NZドル)です。
そもそも為替レートの変動には様々な要因があります。各国の金融政策や経済状態、地政学的要因といったファンダメンタルズに基づくものもあれば、投機的な動きもあります。
しかし、一般的には地理的に近く、経済的な状態も似ている国同士の通貨ペアは変動が穏やかで、レンジ相場を形成しやすい特徴があります。
トラリピでもこの通貨ペアのおすすめ戦略が複数紹介されています。
トラリピではAUD/NZDが1.07を挟んで上下にレンジする想定されていますが、私は中長期的にそれより少し高いところで推移すると見ています。
証拠金を抑えながら運用するなら、売から1.08〜1.10の間に0.002NZD幅で利確幅を20pipsで設定します。こうすると証拠金は6万円弱で設定できます。このレンジ内に収まる仮説に基けば、多少レンジを外れても問題ないようなレバレッジの余裕を持たせるため10万円程度での設定になるでしょう。
ちなみに売からのエントリーであれば、足元の市場ではスワップポイントもプラスになります。(今後のマーケットの動きによっては受払が反転する可能性もありますのでご注意ください)
USD/CAD(ドル/カナダ)
レンジ内に収まりやすい通貨ペアとして、USD/CAD(ドル/カナダ)があがられます。
アメリカとカナダは隣接しており、経済状態もリンクしやすい特徴があります。ちなみにアメリカはメキシコとも隣接していますが、新興国であるメキシコは経済状態の変動が大きく、通貨ペアとしてメキシコペソの米ドルに対する動きは安定しているとは言えません。
マネースクエアでもUSD/CADが1.3の上下に動く想定での戦略が紹介されています。
こちらも最小資金で設定するなら、私なら買で1.19〜1.29の間に0.002CAD幅で利確幅を20pipsで設定します。
なお、USD/CADは2023年に上昇幅がやや続いているため、売の設定はしばらく様子を見たいですね。通貨ペアのレンジが2022年から始まった金融引き締めが落ち着き、着地点が見えたら設定してもよいかと考えています。
EUR/GBP(ユーロ/ポンド)
EUR/GBPもまた、トラリピで採用されている戦略で人気の高いペアのひとつです。
こちらはポンドが絡むこともあって先ほどのAUD/NZDやUSD/CADよりもボラティリティが大きく、やや上級者向けです。
中長期ではレンジ内に収まるのですが、あまり浅いところでポジションを入れすぎると必要証拠金が膨らむ傾向があり、トラリピ運用を設定するなら慎重に行うのが賢明です。
最小資金で設定するなら、0.85を挟んだレンジと考えて、売で0.86〜0.90の間に0.004GBP幅で利確幅を20pipsで設定します。
ポジションを取りづらい時こそ、自動売買で機械的に運用したい

コロナショック以降、株価が大きく動いてきましたが、各国の金融政策もあり為替の市況はかなり変わってきました。
金融政策に踊らされる相場であり、積極的なポジションを持ちにくいですが、こんな時こそ自動売買で小さい値幅をしっかり刈り取るチャンスですから、着実に利益を狙っていきたいところです。
買いづらい時こそトラリピの自動売買でチャンスを逃さないようにしていきましょう。
自動売買はコツコツ長期運用するのにもぴったりですから、ぜひ使いこなしてくださいね。
トラリピをはじめてみる