FX業者を選ぶポイント
まず、業者を選ぶポイントについてですが、私が業者を選ぶ上で重要視したのは以下の点です。
- 種々の手数料(スプレッド含む)が低い
- APIの利用可否、安定性
- 国内で登録・認可された業者
最初に言っておくと、これらを全て満たす業者はありません。取引の目的や方法によって数社を使い分けているというのが現状です。順に追って見ていきましょう。
1点目は最もわかりやすい手数料の話です。FXにおける主な手数料としてはスプレッドや約定力、入出金にかかる手数料、API(MetaTrader等)を使うための手数料などが該当します。多くの人はスプレッドを重視しますが、スプレッドだけを見ていると痛い目に合うので注意が必要です。私の場合、MetaTraderを使うよりも他のAPIで注文をかける業者を使う方が総合的にはリーズナブルだったので、MetaTrader(MT4やMT5)は使っていません。
2点目は自動取引を行うためのAPIの存在です。私は裁量でも取引を行いますが、メジャーな通貨ペアでは自動取引も行っています。上でも紹介したようにコストを考慮した結果、私はMetaTraderを使っていないため自動取引のためにMetaTrader以外のAPIを業者が提供しているかが重要です。残念ながら国内でMetaTrader以外のAPIを提供しているメジャーな業者は私が知る限り一社(OANDA Japan)のみですので、選択肢は一択です。最近は環境が変わってきたのでMetaTraderに乗り換えることを考えてはいるものの、サービス終了等のリスクヘッジ以外の明確なメリットを見出せていないのが現状です。
3点目はうっかり忘れがちですが、安心して利用できるかという点で非常に重要です。海外取引所は日本よりも高いレバレッジで取引できるため魅力的に感じられるかもしれませんが、ざっと問題点を挙げれば「スプレッドや手数料が高い」「出金時のトラブル」「セキュリティ上の懸念」などがあり、トラブル時に対応してもらえない懸念があるため、お勧めできません。また、海外業者を使った場合には国内業者と異なり、税制上、総合課税とならず不利になることが多いという事情もあります。ここで紹介する業者は全て日本で登録・認可された業者のみです。
専業トレーダーが選ぶおすすめの業者3選
OANDA Japan
OANDA Japan(オアンダジャパン)のメリットとしては以下の点が挙げられます。
- MetaTrader以外のAPIで板情報取得や注文ができる
- API用にデモ口座が用意されており、テストが用意に可能
- 国内他社と比べてもスプレッドは悪くない
一応解説しておくと、FXの世界でもっとも有名なAPIがMetaTraderというものでバージョンによりMT4やMT5が存在しています。売買ロジックを自分で作成することが必要ですが、MetaTrader自体は無料で、ただしMetaTrader対応用の専用口座が必要だったりスプレッドが不利だったりということがあります(例えばサクソバンク証券などがそうです)。他のAPIは細々と存在しており、国内の主要業者ではOANDA JapanがREST APIというものを提供している程度です。
しかし、OANDA Japanにはデメリットもあります。
- スワップポイントが低い
- スプレッドが広がりやすい
- キャンペーンが弱い
おそらくAPIを利用する方はポジションを持ち越すことが少ないので、スワップポイントが低い点はあまり気にならないでしょう。むしろ問題なのはスプレッドが広がりやすい点です。というか元々スプレッドは広いです。
どういうことかというと、OANDA Japanではコースが3つあり、「東京サーバーコース」「スタンダードコース」「プロコース」の3つが存在しています。OANDA Japanでは米ドル円の原則固定スプレッドが0.3銭と業界でも最狭水準ですが、それは「東京サーバーコース」のみの話です。MetaTraderも含めてAPIが使えるのは「プロコース」のみであり、このコースでは米ドル円の原則固定スプレッドが0.8銭とかなり広いです。
そのため、FXの自動売買は、暗号資産(仮想通貨)の場合の比にならない難易度の高さです。なぜなら、もしBid(またはAsk)値でポジションをとったとすれば、その瞬間、米ドル円で1円弱(1%弱)の含み損が発生し、通常の0.3銭スプレッドとはポジションの評価損益の動きが全く変わってくるのですから。
このように書くとOANDA Japanを選ぶメリットが薄いように見えるかもしれませんが、OANDA Japanには決定的なメリットがあり、それはAPIを使ってデモ口座で取引できるという点です。FXでの自動売買は通常のプログラミング以上に検証が重要であり、バックテストだけでなく稼働テストも重要になってくるということですね。そういう意味でもOANDA Japanで口座を開設しておくメリットはあると思います。
ここから紹介するのは裁量取引つまり自動取引以外で使っている業者です。
GMOクリック証券
GMOクリック証券のメリットとしては以下の点が挙げられます。
- スプレッドが業界最狭水準(原則固定)
- それなりに優秀なツールを提供している
- スワップポイントだけを受け取ることができる
GMOクリック証券はFX取引高が世界一であり、疑うまでもなくFX国内最大手の一角を占めています。
最後のスワップポイントだけはわかりにくいので説明します。FXでは通貨ペアの金利差として通貨ペアとポジションの大きさに応じたスワップポイントが付与されます。実はほとんどの業者でスワップポイントはポジションのクローズ時に損益とネットされており、スワップポイント単独で受け取ることができません。しかし、GMOクリック証券ではスワップポイントだけを受け取ることができます。もし米ドル円で円高時にロングポジションを持てば、持ち続けるだけで外貨預金の利息のようにスワップポイントを受け取り続けることができるというわけですね。
GMOクリック証券のデメリットとしては以下の点が挙げられます。
- 通貨ペアが少ない
- 1,000通貨で取引できない(米ドル円ペアなら10,000通貨単位から)
- マーケット情報関連のサービスは強い方ではない
2点目の1,000通貨で取引できない点に関して言えば、FXの取引単位は決まっており、その最低注文単位が10,000と言うことを示しています。これは取引を重ねていればそれほどデメリットに感じないですが、初心者の方にとっては少しハードルが高く感じられるかもしれません。
とはいえ、トレード関連のサービスはやはり最高水準のものが用意されており、FXを始めるのであればまずは口座開設をしておきたい業者のひとつです。
DMM FX
DMM FXもまたFX国内最大手の一角であり、国内の口座数ではDMM FXがNo.1です。GMOクリック証券とDMM FXのどちらを選ぶのかは好みの問題だと思います。私の場合、長めのポジションをとるときにはGMOクリック証券を選ぶ程度で、リスクヘッジのためにどちらも同じだけ使っています。ちなみにCMキャラクターはGMOクリック証券が新垣結衣さん、DMM FXではローラさんが起用されており、私はお二方とも大好きです。
DMM FXのメリットとしては以下の点が挙げられます。
- スプレッドが業界最狭水準(原則固定)
- 使いやすく優秀なツールを提供している
- サポートが充実
あくまでも私の印象ですが、DMM FXは初めてFX口座を開設した方に使ってもらうために、口座開設のキャンペーンと初心者向けのサポートが充実しているという特徴があります。LINEでの問い合わせに対応しているというのは、FX駆け出しの初心者の方にとってかなり安心感のあるサポート対応なのではないでしょうか?
また、分析ツールや取引ツールも優秀です。ツールのインターフェイスはGMOクリック証券よりもDMM FXの方が私の好みです。ツールにこだわりのある方はどちらも使ってみて自分に合ったものを選んでおく方がストレスなくトレードでき、操作ミスによるトレード損も一層減ることでしょう。
デメリットとしては以下の点があげられます。
- トルコリラやメキシコペソなど有名な高金利通貨が取り扱いなし
- スキャルピングは明確に禁止されている
- 取引単位が10,000から
国内でスキャルピングが容認されている業者は少なく、容認されていないのも暗黙的にQ&Aなどで記載されている程度です。しかしDMM FXではスキャルピングのような短期間で注文を繰り返すことが禁止されており、万が一指摘を受けた場合には取引益の没収や口座凍結などの処置を受ける可能性があります。普通に取引を行っている限り問題のあるレベルに達することはまずありませんが、注意事項に明記されていることから、意識しながらトレードすることが必要になってきます。
DMM FXとGMOクリック証券のどちらの口座も持っていない方、またはどちらかの口座のみ持っているという方は、この機会に合わせて口座を開設しておくと良いでしょう。
ここまでおすすめの業者を紹介してきました。国内FXではレバレッジを最大で25倍までポジションを取ることが可能で、短期のトレーディングで収益を上げやすいというメリットがあります。これを機に口座を開設し、取引を始めてみてはいかがでしょうか?