FXの自動売買で何もせずにコツコツ資産を増やしたい──
FXの取引をしていれば誰もが一度は考えることではないでしょうか?
幸運にも、あらかじめ決まったルールベースの自動売買を行うことができるサービスは存在しており、その中でも有名なのがマネースクエアの「トラリピ」とインヴァスト証券の「トライオートFX」で筆者もよく使っているのですが、よく似たこの2つのサービスは何が違ってどちらがおすすめなのでしょうか?
この記事では、FXの自動売買を愛好している私がトラリピとトライオートFXを比較し紹介してみます。
FXで自動売買はおすすめ!

FXの裁量取引を行っている人のうち、取引に失敗し損を出しているのはおよそ7割と言われています。
失敗理由としては「エントリータイミングが悪い」「利確するタイミングを逃した」「いつもは取引しないタイミングでなんとなく買ったら急落してしまった」など様々なものがありますが、端的に言えば失敗の原因は「リスク管理の甘さ」です。
人間がやっている取引ですから、スケベロングや過剰なレバレッジでポジションをとってしまうというのは中々避けることができません。
一方、自動売買(システムトレードまたは略してシストレ)ではエントリー・利益幅・ロスカットを機械的に入れることができるため、人間であればついついやってしまう数多くの失敗を避けることができます。
リスクの大きいFXこそ、自動売買の威力が発揮されると言えますね。
おすすめは「トラリピ」と「トライオートFX」!

世の中にはFXの自動売買サービスがいくつかありますが、その中で私が使ってみて良いなと感じたのはマネースクエアの「トラリピ」とインヴァスト証券の「トライオートFX」です。
どちらも取引条件設定の操作が簡単で使い勝手が良く、手数料もなかなか悪くありません。
この2つの他にもアイネット証券の「ループイフダン」、みんなのFXの「みんなのシストレ」、外為オンラインの「iサイクル2取引」など自動取引には様々なサービスがありますが、操作や取引条件が使いにくかったり手数料がかなり割高だったりと、あまりおすすめできません。
ここでは「トラリピ」と「トライオートFX」の両方を使ってみたメリット・デメリットやどちらがおすすめかを紹介していきましょう。
通貨ペアならトライオートFXが少しだけ有利
まず通貨ペアについて、トラリピは16種類、トライオートFXは17種類が取引可能です。若干、トライオートFXの方が取引できるペアが多いですね。
通貨ペア | トラリピ | トライオートFX |
---|---|---|
米ドル/円 | ○ | ○ |
ユーロ/円 | ○ | ○ |
ユーロ/米ドル | ○ | ○ |
ユーロ/英ポンド | ○ | ○ |
ユーロ/豪ドル | × | ○ |
豪ドル/円 | ○ | ○ |
豪ドル/米ドル | ○ | ○ |
豪ドル/NZドル | ○ | ○ |
NZドル/円 | ○ | ○ |
NZドル/米ドル | ○ | ○ |
カナダドル/円 | ○ | ○ |
米ドル/カナダドル | ○ | × |
英ポンド/円 | ○ | ○ |
英ポンド/米ドル | ○ | ○ |
スイスフラン/円 | × | ○ |
米ドル/スイスフラン | × | ○ |
トルコリラ/円 | ○ | ○ |
南アフリカランド/円 | ○ | ○ |
メキシコペソ/円 | ○ | × |
どちらも主要な通貨については取り扱いがあり、主な違いはトライオートFXのみスイスフランの取り扱いがあるという点です。
一般的に、自動取引は上昇・下落のトレンドを追うのではなく、レンジの中での上下幅の中で何回も取引を繰り返します。
スイスフランは安全通貨とされており大きく動くことは比較的少ないのですが、それでも他通貨ペアと比べて特別なメリットがあるわけでもなく、スイスフランをあえて選ぶ理由はないでしょう。
また、ユーロ/豪ドルやメキシコペソは動きが上下に大きすぎるため、自動売買に向いている通貨ペアとは言いにくいです。
そのため、通貨ペアという観点ではトラリピもトライオートFXもあまり変わらないと言えます。
トライオートFX 公式サイトへスプレッドはトライオートFXが有利・・・だが落とし穴がある
もっとも重要な比較ポイントであるスプレッドについて比較しましょう。しかし、残念ながらトラリピではスプレッドが変動制であり、原則固定であるトライオートFXとはそもそも比較しにくいです。そのためスプレッドで言えば原則固定のトライオートFXの方が選びやすいです。
とはいっても具体的な数字がないと比較できないですから、ある時点での数値で比較してみましょう。トライオートFXは原則固定の時間帯(平日の9:00~29:00(翌日5:00))、比較時点は2022年2月です。
通貨ペア | トラリピ | トライオートFX |
---|---|---|
米ドル/円 | 2.5銭 | 0.3銭 |
ユーロ/円 | 2.5銭 | 0.5銭 |
ユーロ/米ドル | 2.5pips | 0.3pips |
ユーロ/英ポンド | 3.2pips | 2.0pips |
ユーロ/豪ドル | × | 2.0pips |
豪ドル/円 | 3.5銭 | 0.6銭 |
豪ドル/米ドル | 2.5pips | 1.4pips |
豪ドル/NZドル | 3.5pips | 5.8pips |
NZドル/円 | 3.5銭 | 1.7銭 |
NZドル/米ドル | 2.5pips | 2.0pips |
カナダドル/円 | 3.5銭 | 1.9銭 |
英ポンド/円 | 4.0銭 | 1.0銭 |
英ポンド/米ドル | 4.5pips | 1.4pips |
スイスフラン/円 | × | 2.0銭 |
米ドル/スイスフラン | × | 2.0pips |
トルコリラ/円 | 4.5銭 | 1.5銭(※変動制のみ) |
南アフリカランド/円 | 1.5銭 | 1.8銭 |
メキシコペソ/円 | 1.0銭 | × |
変動性ではスプレッドが広がりやすいという経験則があり、基本的に極端に狭くなるということはないと考えて問題ありません。表で一目でわかるように、スプレッドで言えば原則固定のトライオートFXの方が有利です。
ただし、これには落とし穴があります。実は、トライオートFXではスプレッドの他に自動取引するときに売買手数料が必要なのです。
その金額はこちらの表の通りです。全通貨ペアに一律適用されます。
取引数量 | 新規 | 決済 | 1,000通貨あたり |
---|---|---|---|
1万通貨未満 | 2.0pips | 2.0pips | 片道20円(対外貨は0.2外貨) |
1万通貨以上〜10万通貨未満 | 1.0pips | 1.0pips | 片道10円(対外貨は0.1外貨) |
10万通貨以上〜50万通貨未満 | 0.5pips | 0.5pips | 片道5円(対外貨は0.05外貨) |
50万通貨以上 | 無料 |
1回の取引数量が大きくなればなるほど売買手数料が安く、小さいと手数料が割高になります。
そのため、ロットが大きいならトライオートFXが有利、ロットが小さいなら売買手数料が無料のトラリピが有利となるのです。
スワップポイントはまちまちで、極端な有利不利はない
自動取引ではスワップポイントを重視することはあまりないのですが、ここでは比較ポイントとして見ておきましょう。実際、スワップポイント払のポジションをうっかり長くもってしまうと、トレード全体ではプラスでもそこそこ損した気分になります。
比較してみるとスワップポイントは通貨ペアによってまちまちで、どちらがよいかを一言で表すのは難しいです。
比較時点は2022年2月です。なお、トラリピの外貨スワップは円換算した金額です(単位に円を明記しているものが該当)。
通貨ペア | トラリピ 売 |
トラリピ 買 |
トライオートFX 売 |
トライオートFX 買 |
---|---|---|---|---|
米ドル/円 | -86 | 1 | -32 | 9 |
ユーロ/円 | 0 | -63 | 5 | -28 |
ユーロ/米ドル | 6円 | -46円 | 0.02 | -0.62 |
ユーロ/英ポンド | 23円 | -30円 | 0.2 | -0.25 |
ユーロ/豪ドル | × | × | 0.1 | -0.5 |
豪ドル/円 | -28 | 0 | -56 | 2 |
豪ドル/米ドル | 3円 | -17円 | 0 | -0.5 |
豪ドル/NZドル | 5円 | -19円 | 0.11 | -0.23 |
NZドル/円 | -32 | 5 | -66 | 15 |
NZドル/米ドル | -26円 | 1円 | -0.49 | 0.09 |
カナダドル/円 | -6 | 0 | -34 | 5 |
英ポンド/円 | -26 | 0 | -37 | 11 |
英ポンド/米ドル | 0円 | -17円 | 0.01 | -0.5 |
スイスフラン/円 | × | × | 5 | -45 |
米ドル/スイスフラン | × | × | -0.72 | 0.02 |
トルコリラ/円 | -54 | 5 | -53 | 28 |
南アフリカランド/円 | -14 | 2 | -19 | 9 |
メキシコペソ/円 | -5 | 2 | × | × |
自動売買サービスのまとめ

これまでの比較から結果をまとめてみます。結果はシンプルです。
・注文ロットが小さい場合(目安は証拠金200万円以下) → トラリピがおすすめ!
・注文ロットが大きい場合(目安は証拠金200万円以上) → トライオートFXがおすすめ!
おすすめは豪ドル/NZドル、カナダドル/円、豪ドル/円、ユーロ/米ドルなど、複数の通貨ペアを小ロットずつ組み合わせる方法です。
色々なペアを含めることで通貨の様々な動きを捉え、売買のチャンスが増えるからです。そう考えると、まずはトラリピを選んでおくとよいでしょう。


各社ともサービスが少しずつ異なっていることから、各社のメリットを最大限に活かし、もっともお得な方法で取引するよう使いこなしていきたいですね。
トラリピ 公式サイトへ