「暗号資産(仮想通貨)のマイニングがまた流行っているけど、どうなの?」
最近流行しているマイニングですが、あまり馴染みのない方も多いと思います。
実際、マイニングは少数の有識者が多くのリソースを投下することで莫大な利益を上げているというのが実情ですが、個人でも行うことはさほど難しくありません。
この記事では現役トレーダーが暗号資産(仮想通貨)のマイニングについて語ってみます。
マイニングとは?
なお、今すぐマイニングをやってみたいという方には、私がチャレンジした時の方法を紹介しているこちらの記事もご覧ください。

投資としてみたときのマイニングの特徴
投資としてマイニングを考えたとき、以下の特徴があります。
- 初期投資回収までの期間が比較的長い
- セットアップさえすれば、何もしなくても収入となる
- 稼働のための変動費が比較的大きい
まず1点目の回収期間ですが、初期投資としてはマイニング端末の用意をする必要があります。
通常の端末でもマイニングは可能ですが、マイニング効率を上げるためには特定のスペックに特化していることが望ましい上、処理に負荷が可あるため、ある程度の準備が必要となります。
マイニングで1日に得られる収益はそれほど大きくないため、初期投資の回収にある程度の時間が必要です。すべてのパーツを新たに購入する場合、1年超の期間が必要です。
2点目は、何もしなくても収入になるという点です。
基本的にマイニングは専用のソフトを動かしていれば良いため、パソコンを起動しソフトを稼働させていればあとは何もしなくても勝手にマイニングが進みます。
たまに自分のウォレットへ送金を行い、あとは現物を売却して口座から出金すればOKです。
3点目は、固定費だけでなく変動費もそれなりにかかるという点です。
ここでいう変動費とは、主に電気代のことを指します。
電気代と言うと大したことはないという方もいますが、それなりのスペックでフル稼働させると電気代も侮れません。
また、端末がフル稼働していると発熱が大きくなりマイニング処理の効率も低下するため、冷却も必要となります。冬は暖房がわりになりますが、夏場は暑いのにさらに暖房を動かしているのと同じくらいの発熱になります。
マイニングの悪影響
マイニングに対する世間の批判として、環境へ悪影響を与えているのではないかという点が挙げられます。
先に述べたように、マイニングには大量の電力を消費します。マイニングは海外でも大量に行われており、付加価値を生まない作業にエネルギーを使いすぎているという意見があります。
しかし、これには有力な反論があります。
マイニングとはそもそもブロックの生成作業、つまり新しい通貨を「掘り出している」のに加え、トランザクションを「承認する」という2つの意義があります。そして後者はいわば仮想通貨の取引を記録しているかのような作業です。
これを現実の通貨(法定通貨)で考えてみると、それぞれ中央銀行が「お金を発行する」ことや、銀行や証券会社などで「金融商品を購入する・資金を入出金する」ということに該当していると言えます。これらの作業に多大な労力をかけて人力やコンピュータによる処理を行っていますが、これらの伝統的な法定通貨に対するリソースの投入について「無駄」という人は多数派ではないでしょう。一般の方には馴染みがありませんが、特に現代は金融機関に対する規制が厳しくなっており、例えば海外送金はマネーロンダリング防止のためのチェックが必須であるなど様々な工程が存在します。
であるなら、同じロジックで仮想通貨に対してのみ無駄だと否定することは出来ないですよね。
マイニングを行うためには?
まず、私の目算では仮想通貨のマイニングで利益は出ます。
その計算の前提は以下の通りです。一番利益が出やすいと言われているイーサリアムを例にして計算すると、
この仮定のもと、24時間マイニングを続けて収益分岐点となる稼働日数をT日とすると、収益分岐点の方程式は左辺を収益・右辺を費用として
0.0019 * T * 230,000 = 175,000 + 0.0019 * T * 230,000 * 0.0065 + 0.2 * 24 * 31 * T
この式を解くとT = 596(Days)つまり約1.63年となり、1年半ちょっと続けると利益が出る計算になります。大体1.13ETH(260,000円相当)マイニングすることになります。
この計算がブレる要因としては、以下の点が考えられます。
- イーサリアム相場の変化
- マイニング難易度の変化
- 電気代の変化
- 実際には24時間稼働が難しい
- マイニング機器の故障
マイニングはオワコン?
マイニングブームで一番マイニング対象となる通貨は、イーサリアムです。
その理由は、使う電力に対して割がいいのがイーサリアムだから。
しかし、イーサリアムのマイニングが「オワコン化」することで、仮想通貨のマイニングもオワコンになることが危ぶまれています。その理由としては、
- イーサリアムのマイニング報酬の見直し(2021年8月5日、ロンドンアップデートで実装)
- ディフィカルティボムの実施
- そもそも今のPoWからPoSに移行する
特に最後のPoSへの移行はイーサリアム2.0の目玉であり、コンピュータ計算で大量に電力を使うマイニングから、イーサリアム保有(ステーキング)によるマイニングへの移行を予定しています。
イーサリアム以外にもマイニングできる通貨はもちろんありますが、その報酬は最大でも8割程度(イーサリアムのマイニング報酬見直し後ベース)の見込みであり、これから始めたいという方は機器の回収期間などよく検討した方が良いと言えます。
まとめ
ここでは現役トレーダーの私が仮想通貨のマイニングについて語ってみました。仮想通貨のマイニングというとすごく難しそうでハードルが高いように思えますが、実際にやってみると専用のマイニングソフトを動かし続けるくらいでそれほど手間はかかりません。
この記事はマイニングを推奨するものではなく、仮想通貨へ投資するなら正しい知識を身につけてほしいという趣旨で書いています。仮想通貨への投資のための参考になると幸いです。